イヤイヤ期の正式名称は第一次反抗期?違いは?元保育士が解説
- イヤイヤ期と反抗期ってどう違うの?
- イヤイヤ期ってそもそも何?
- イヤイヤ期はいつからいつまでのことを言うの?
イヤイヤ期が落ち着いてきたかな…と思ったら反抗が激しくなってきて「イヤイヤ期と第一次反抗期は違うの?」と絶望感をいだく方も多いですよね。
結論から言うと、イヤイヤ期と第一次反抗期は同じです。
ただ、2歳~4歳頃まで続く第一次反抗期の中でも、最初はまだ「イヤイヤ」しか言えなかったのが、だんだんと言葉を覚えて言葉で反抗出来るようになるため「イヤイヤ期」から「反抗期」へと変わったと解釈する人もいます。
しかし、イヤイヤ期にどんな反応を表すか?いつ頃まで続くか?はお子さんによって個人差があるので、何歳になったら反抗しなくなる!と断言できるものではありません。
とは言っても、どのお子さんも成長するにしたがっていろんなことが出来るようになり、2歳頃のイヤイヤ期の大変さは必ず落ち着きます!
この記事を読んで、イヤイヤ期がどういうものか理解すれば、お子さんのイヤイヤにも冷静に対応することが出来るようになりますよ。
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イヤイヤ期はいつからいつまで?正式名称は第一次反抗期
イヤイヤ期は一般的に、自我が芽生え始める2歳~4歳頃を言います。
もちろん、発達の早さはその子によって異なるため、1歳半くらいから始まる子もいれば、4歳過ぎまでイヤイヤ期が続いたという子もいます。
イヤイヤ期の正式名称は、第一次反抗期と呼ばれています。
イヤイヤ期と反抗期の違いは?
では、イヤイヤ期と反抗期とは何が違うのでしょうか?
反抗期には、第一次反抗期と第二次反抗期があります。
第一次反抗期は、イヤイヤ期とも呼ばれ、2歳~4歳頃に起こります。
第二反抗期は、12才~16才頃の思春期の頃に起こります。
つまり反抗期には2つあり、その1つがイヤイヤ期ということになりますね。
中には、1歳半頃~3歳頃までの自我が芽生え始めた時期がイヤイヤ期で、2歳~4歳頃の言葉が発達してきて反抗的になる頃が第一次反抗期という専門家の方もいます。
魔の2歳児、悪魔の3歳児などという方もいますね。
これは、2歳のイヤイヤが落ち着いてきたかな?と思ったら3歳になって言葉で反抗するようになった…という大人から見た表現でしょう。
しかし、発達のスピードは一人一人その子によって違うため、同じ三歳でも「イヤイヤ」というだけだったり、反抗的になったりするので、時期を分けるのは困難です。
よって「イヤイヤ期は、第一次反抗期と呼ばれる」と解説されています。
どちらも、間違いではありません。
どちらにしても、お子さんの成長によってだんだんと落ち着いてくるので安心してください!
イヤイヤ期がなぜ起こるのか?
では、イヤイヤ期はなぜ起こるのでしょうか?
イヤイヤ期が始まる前の赤ちゃんは、自分とママ・パパなど周りの人が、違う存在だということを知りません。
それが、1歳半~2歳近くなると自分と相手は違う存在なんだということを認識出来るようになります。
自分は一人の人間なんだということがわかるようになるのですね。
これが「自我の芽生え」です。
自分がママやパパとは違うのだと分かると「自分でやってみたい」という気持ちが芽生えてきます。
しかしまだ言葉が未発達のため、自分の気持ちをうまく表現することが出来ず「嫌だ!」という表現になるのですね。
また、人間の感情をコントロールする働きをしている脳の前頭前野もまだ未発達なため、自分の感情をうまくコントロールして落ち着けることも出来ません。
よって「イヤイヤ」が始まると、自分で感情を抑えることが出来ずに癇癪を起したり、いつまでも泣き叫んだりといったような行動が表れるのです。
つまり言葉と脳が成長すれば、イヤイヤ期は終わります!
産まれてたった2年で、自分の気持ちを必死に伝えようとしている!と思うと応援したくなりますね!
ピアジェとエリクソンの発達理論から考えるイヤイヤ期
発達心理学で、有名なピアジェとエリクソンの発達理論があります。
ピアジェによって提唱された「認知発達理論」では、人の認知能力の成長を4つの段階に分けています。
また、エリクソンが提唱した発達段階は「心理社会的発達理論」と呼ばれ、人間の発達を8つの段階に分けて、
それぞれの心理的課題と危機や、課題達成により獲得する要素について説明されています。
イヤイヤ期は、エリクソンの発達理論では「幼児前期」にあたり、ピアジェの発達理論では「前操作期」にあたります。
では、具体的にそれぞれどのような時期なのか見ていきましょう。
エリクソンの 心理社会的発達理論「幼児前期」とは
エリクソンの心理社会的発達理論では、2歳~4歳を「幼児前期」としています。2歳~4歳は、意志力を得ることが課題とされています。
衣服の着脱、トイレトレーニングなど、自律性も身に付けていく時期です。
同時に、うまく出来ない・失敗してしまうなどの恥も感じるようになります。
「やりたいけど出来ないという葛藤を繰り返しながら自分の意志力を獲得していく時期」とエリクソンは言っています!
ピアジェの認知発達理論「前操作期」とは
ピアジェの認知発達理論では、2歳~7歳の時期が「前操作期」にあたります。
2歳~7歳は、言語能力・運動能力が著しく発達する時期ですが、共感力などはまだ未発達なため、自己中心的な思考になります。
「自己中心的」というのは、わがままという意味ではなく、言葉の通り自分が中心に生きている思考です。
自分の見えているままがすべてで、相手の気持ちを考えるという能力はまだありません。
つまり自分がイヤイヤということで、ママがどう思うか?周りがどう思うか?まで考えるのは、発達段階で当然無理だということです。
産まれたばかりの赤ちゃんに歩けと言っても歩けないのと同じ。まだ能力がないのですね!
イヤイヤ期は第一次反抗期!発達段階を理解して子どもを知ろう!
イヤイヤ期は、第一次反抗期に当たります。
つまり、どの子にも発達の過程により多かれ少なかれ必ずあるもので、決してわがままを言っているわけではありません。
もちろん、わかっていても毎日床にひっくり返って泣き叫ぶ子どもの対応には、正直うんざりしてしまうこともあるでしょう。
しかし、それらの行動は
- 言葉が未発達
- 自我の芽生え、成長
- 気持ちをコントロールする前頭前野が未発達
- 自己中心的思考
という発達段階なのだということを頭の片隅に入れておくと、ママやパパの気持ちも少しは楽になれるかと思います。
永遠に続くかのように思えるイヤイヤ期も、4歳頃には落ち着きます。
片言の覚えたての言葉や、無邪気な笑顔、何の歌だかわからないけれど愛らしい歌声など、今しか見られない可愛らしさにも目を向けて、気長に見守っていきたいですね!
詳しい対応策については、イヤイヤ期対応の3つのコツ!保育士が実践する向き合い方を解説!にまとめました!
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