保育園でのプライベートゾーンの教え方と6つの具体例【家庭でも】
- プライベートゾーンについて子どもにどう教えたら良いの?
- 子どもを守るためにもプライベートゾーンについてはしっかりと理解させたい
- 性教育って何から始めたら良いの?
プライベートゾーンについて保育園の頃からお子さんに伝えていくのは、性教育の第一歩!
普段の生活にほんのひと工夫加えるだけで、簡単に保育園でプライベートゾーンについて教えていくことができます。
この記事では、保育園の生活に合った具体的な6つの方法を通して、プライベートゾーンの教え方を紹介します。
ポイントは6つ!
保育園の頃から性教育の第一歩として、プライベートゾーンについて伝えていき、自分の身を自分で守れるようにしましょう!
タップできる目次
プライベートゾーンとは?
プライベートゾーンとは、体の内部とつながっている直接、妊娠・出産・生命に関わる場所で、他人が勝手に見たり触れたりしてはいけない場所。
具体的には、口・胸・おしり・性器のことで、子どもにはわかりやすく、
水着で隠れる場所と口はプライベートゾーンだよ!
と教えると良いと言われています。
最近、ママ友と話していると
うちの子、保育園でお友だちにプライベートゾーンを触られたらしいの
うちの子いつのまにかYouTubeで女の人の裸の動画見てたのよ
という話を耳にすることがあります。
まさか、幼児期に?と考えがちですが、
幼児期は好奇心旺盛で色々なことに興味を持ち、なんでもやってみようとする時期。
決していやらしい気持ちでなく、興味本位で見たり触ったりしてしまうのです。
要するに、知らないだけ。
プライベートゾーンについて正しい知識と理解があれば、事前に防ぐことが出来ますよ!
保育園でのプライベートゾーンを教える時の6つのポイント
では、プライベートゾーンについて、どんなことを教えていけば良いのか?6つのポイントを解説します。
①プライベートゾーンは自分だけの大切な場所!
プライベートゾーンは、自分以外の人が見たり触ったりしてはいけない場所であることを教えます。
たとえ親でもダメ!と教えます。
なぜなら近年、性暴力による被害は家庭内でも起こっていると指摘されているためです。
2019年度、全国で家庭内で起きた性的虐待はおよそ2600件!
この数字は、児童相談所が把握し対応している件数のみであり、家庭内での性被害は見つけづらいことから、実際はこの数の1.2倍に上ると推計されています。
※厚生労働省の研究班による分析結果(2021年4月)
例外は「自分の体を守るために触る必要がある場合」です。
- お世話をする時(オムツ換えなど)
- お医者さんが体の具合を診る時
この時も必ず理由を言って「触っても良い?」と確認するようにしましょう。
②触って良いのは自分だけ!ただし触るときはきれいな手で!
自分だけは、触っても良いことも伝えていきましょう。
3歳からは、お風呂でプライベートゾーンを洗ったり、排泄の後に拭く方法も教えていきます。
プライベートゾーンは、汚い場所ではありません。
むしろその逆で、「自分だけの大切なきれいな場所」です。
ばい菌が入ったら困るからきれいな手で触ろうね!
③誰かが見たり触ろうとしたら「いやだ!」と言って良い
もしも、誰かが自分のプライベートゾーンを見たり触ったりしたら、「嫌だ!やめて!」と言って良いことも伝えましょう。
やめて!と言うのは勇気がいるけど、自分の体を守るために必要だよ!
「NO!GO!TELL」の3セットで教えるのがおすすめです。
自分の「やめて!」には誰かの行動を止めるパワーがあることも理解してもらう必要があります。
「いやよいやよも好きのうち」は間違いです!
④人のプライベートゾーンを見たり触ったりしてはいけない
自分が、人のプライベートゾーンを見たり触ったりしてはいけないことも教えていきます。
ふざけているつもりでも、相手は嫌だということを伝えます。
それは、わるいタッチだよ!!
悪いタッチの例
- スカートめくり
- ズボン降ろし
- カンチョーなど
⑤プライベートゾーン以外の場所も自分の体は大切な場所!
子どもは素直なので、水着でかくれる部分がプライベートゾーンと教えると
おへそはいいの?鼻は?
と、水着で隠れていない部分について尋ねます。
プライベートゾーンでなければ、嫌がっていても触って良いわけではありません。
自分の体はどこも大切な場所だよ!特にプライベートゾーンはね!
⑥誰かに見たり触られたりしたら信頼できる大人に相談する
もしも、誰かに見たり触られたりした場合は、おとなが入って解決する必要があります。
かならず信頼できる大人に相談するよう「NO!GO!TELL!」の3点セットでお話ししておきましょう!
保育園でのプライベートゾーンの教え方と6つの具体例
ポイントを踏まえた上で、実際に保育園でプライベートゾーンを教えていく具体的な6つの方法を説明します。
①着替えの時
保育園では、水遊びや外遊び後などに着替えの時間があります。
段ボールや牛乳パックなどを利用し、ちょっと影になるスペースを作ります。
そこをオムツ換えスペースや着替えスペースにすることをおすすめします。
※完全な視覚にならないよう、保育士から安全を確認出来る高さで作りましょう!
大勢で着替える場合は、巻きタオルをかぶってから脱がせる方法もあります。
小さいうちは保育士の手が必要になりますが、小さいうちから練習しておくと自分で出来るようになります。
②絵本を通して
普段の絵本の時間に、プライベートゾーンを教える絵本も取り入れていきましょう。
幼児期に保育園・幼稚園での読み聞かせにおすすめな絵本は次の3冊です。
おしえてくもくんプライベートゾーンってなあに【購入レビュー】を読む≫
③どろんこ遊び
どろんこあそびでは、水着やパンツなど薄着で遊ばせることが多いですね。
普段どろんこ遊びで、おしりをつかずに遊ぶ声かけをしていきましょう。
プライベートゾーンは大切なところ!ばい菌が入ったら困るよ!
「しゃがんで遊ぶ」という動作は、足の筋力を鍛えたり、股関節や足関節のストレッチにもなります。
小さいうちから取り入れていきたいですね!
④トイレの時間
トイレの時間に、自分で拭く時の拭き方を教えていきましょう。
特に女の子は、尿道や膣にばい菌が入らないように、正しい拭き方を教えていくことが大切です。
- うんちは、後ろから手を回して前から後ろに拭く
- おしっこはこすらず吸い取って拭く
⑤友だちとの関わりの中で
友だちとの関わりの中で、具体的に良いタッチ・悪いタッチについて声を掛けていくことが大切です。
良いタッチ
悪いタッチ
また、された側にも
いやな時はいやって言って良いんだよ!
嫌なことをした側にも
いやと言われたらすぐにやめようね!
と、根気強く声をかけていきましょう。
⑥保護者との連携
保育園でいくらプライベートゾーンについて教えていっても、家庭で出来ていなければ子どもにはなかなか理解出来ません。
保育園で指導している内容や、家庭でもやって欲しいことなどをお手紙で配布したり、目につくところにポスターを掲示するなどの工夫をすると良いでしょう。
「おしえてくもくん」の絵本には、教材も揃っているので活用しやすいです。
おしえてくもくんに付いている教材
- 活用のてびき
- パワーポイント
- ワークシート・ふりかえりシート
- 保護者向け配布資料
- ポスター
- くもくんフリー素材
フリー素材を使って作ったペープサートです!
保育園でプライベートゾーンを教えるメリット
保育園で幼児期からプライベートゾーンを教えるメリットは4つあります。
①性的なトラブルを予防できる
万が一、性暴力・性被害があった場合に、プライベートゾーンについての正しい知識と理解がある子どもは、「NO!GO!TELL!」の3つを行動に表すことが出来、自分の身を守ることが出来ます。
また、正しい知識がないために自分が加害者になってしまうのを防ぐことも出来ます。
②自己肯定感が高くなる
自分の体や性について肯定的にとらえられるようになり、自己肯定感を高めることに繋がります。
自己肯定感が高まれば、どんなことにも積極的に取り組む姿勢がみられたり、失敗してもあきらめない粘り強さにもつながります。
また、自己肯定感が高い人は、自分だけでなく相手を尊重することも出来るようになり、良好な人間関係の形成にもつながります。
③ゆがんだ性の知識を真に受けない
冒頭でもお話したように、インターネットやYouTubeが子どもでも簡単に見られるようになり、まだ幼い子どもがポルノ動画を目にしてしまうことも多くなりました。
フィルターをかけたり、おとなのいない場所でYouTubeを見せないなどの工夫は出来ますが、近年はテレビでも簡単にYouTubeを見られるため、完全に遮断することは難しくなってきています。
幼いころからプライベートゾーンについての正しい知識を教わっている子どもは、万が一目にしてしまった時にもこれは間違ったことである・フィクションだと理解出来、ゆがんだ性の知識を植え付けられることを回避できます。
④思春期への心構えが出来る
思春期になると、体が変化してきます。
その体の変化がなぜ起こるのか?といった知識を思春期になってから教えようとすると、お互いに話しづらい雰囲気になり、話す機会を逃してしまうこともあります。
何も知らずに思春期の体の変化を経験した子どもは、「自分は病気なのではないか?」と悩むこともあります。
幼いうちから、性についてオープンに話しておくことは、思春期への心構えにもつながります。
また、何か困ったことがあった時に、相談しても良いんだという認識を持っておくことができますね。
保育園でプライベートゾーンを教えるデメリット
幼児期からプライベートゾーンを教えていくデメリットはありません。
小さなうちから性の話をしたら性についての行動も早くなるのでは?
いいえ!その逆で正しい知識を持った子どもは性行動が慎重になると言われています。
※国際セクシュアリティ教育ガイダンス
ただし、保育園で教えるということは、保護者の理解と協力が不可欠です。
先に述べたように、お便りの配布やポスターの掲示などを利用し、保護者と連携してお子さんにプライベートゾーンについて教えていく必要があります。
保育園と家庭が連携し、プライベートゾーンについて正しく教えていこう!
保育園でプライベートゾーンについて教えていくには、普段の生活にちょっとした声かけの工夫で取り入れていけます。
しかし、性教育は保護者の理解と協力なくして進めることは困難です。
まずは、保育者が性教育についての必要性を正しく理解し、保護者へ説明できるようにしましょう。
そのうえで、家庭と保育園が連携して、性教育を進めていくことが望ましいといえるでしょう。
参考文献
プライベートゾーンを教える絵本おすすめ6選でも書籍を詳しく紹介しています。
プライベートゾーンを教える絵本おすすめ6選を保育士が紹介【性教育の第一歩に】
性教育が大切っていうけれどどの絵本を読めば良いのかな?プライベートゾーンについてどう伝えていけばいいの?おすすめの絵本は? 性教育の最初の第一歩としておすすめ…
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